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Locarno(ロカルノ)の夜



ロカルノ(Locarno)は、マッジョーレ湖畔に位置するイタリア語圏スイス・ティチーノ州のレイクリゾートとして知られています。街中に自生するヤシの木を見れば、この地がスイスにしていかに温暖であるかがわかるかと思います。ロカルノに滞在した時、スイス料理のひとつであるフォンデュシノワが食べたくなりホテルのフロントにレストランの情報を問い合わせてみました。


しかし、ホテルが教えてくれた住所は間違っていたようでその住所にレストランを見つけることができず、今度はネットで検索してみました。すると、おかしなことにネット上にもホテルが教えてくれた住所と同じ住所が記載されていました。これでは仕方がないとこの店をあきらめて別の店を探そうとロカルノ旧市街を歩いていると、偶然にも細い路地の奥まったところにそのレストランを見つけました(写真左手)。間違った住所を記載してネット宣伝するとは少し間の抜けた話ですが、幸い、料理の方はそうではありませんでした。料理のこと以外には頓着しないところがいいのかもしれません(笑)。




そのレストランはココ↓
Ristorante La Fiorentina
Via St. Antonio 10,6600 Locarno(現在は正しいようです)。
Telefono: 0041 (0)91 751 38 34



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Saint-Prex(サン・プレ)

スイスには『パトリモワン・スイス (Patrimoine Suisse)』という団体があって、この団体が歴史的な街並や建築物の保護に積極的に取り組んでいる自治体にワッカー賞と呼ばれる賞を授与しています。この賞を受賞した街や村を7割くらい歩いてみましたが、なるほど、いずれも伝統的な街並が残る美しいところばかりでした。


今回お伝えするSaint-Prex(サン・プレ)は、第2回(1973年)ワッカー賞を受賞した、レマン湖畔にある小さな村です。村のメインストリートを見た限り、あまり賑やかな観光地には見えませんでしたが、それがまた古い佇まいの雰囲気をよく伝えているかと思います。



この村の住宅は石造りのものが多く,その外壁の模様が印象的でした。


年代は感じさせても古さは感じさせない、いかにもスイスらしい景観美があるように思います。


村の通りを抜けるともうそこはレマン湖畔。ここにはちょっとした砂浜があるのですが、この日は地元の子供たちが裸で遊んでいたので、遠巻きにシャッターを切りました。


船着き場の方は湖畔に沿って遊歩道が続いており、一定の間隔でベンチが設置されています。ベンチに座ると、水で有名なエビアン・レ・バンやそのとなり街であるトノン・レ・バンの街が見えます。


Saint-Prex(サン・プレ)に来る船はまばらなので、桟橋には船を待つ人ではなく、釣り人たちで賑わっていました。この辺りでは魚を食べる習慣があります。代表的な魚料理であるフィレドペルシュ(Filets de Perche)は魚にうるさい日本人でも美味しく食べることができます。


村の入口にある時計台をかねた城門は、この村のシンボル的存在ではないかと思うのですが、外から眺めてみて少し驚きました。


これは時計台と城門をかねた住居になっていました・・・。ここには先祖代々住んでいるのでしょうか。それとも、この重厚感を好んでここに住むことにしたのでしょうか。あるいは、住宅事情の極めて厳しいスイスの世相を現しているのでしょうか。少し考えながらSaint-Prex(サン・プレ)を後にしました。

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Scuol(シュクオル)



スイスには『フランスの最も美しい村』のようなアソシエーションはありませんが、もしあったならScuol(シュクオル)はそこに名を連ねているかもしれません。Scuol(シュクオル)は、スイスの南東部のウンターエンガディンと呼ばれる地域にある村で、オーストリアとの国境が目と鼻の先にあります。いわばスイスの外れの村であり、交通の便も悪い所にあります。それがゆえに独自の文化が今でも根付いているようです。フランスのこの手の村と比べてみると、家並みの色合いがカラフルで華やかな印象を受けます。絵に書いたような家々が立ち並ぶ村の中に来ると現実感が失せて行くような感じがします。この村の住人たちはここで普通に生活を営んでいるのですが、生活感をあまり感じませんでした。


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Ardez(アルデッツ)


グアルダ(Guarda)からシュクオル(Scuol)へと向かう一本道を車で走っているとこんな光景に目を奪われました。ここはアルデッツ(Ardez)という人口400人程度の小さな村で、この地方で人気の観光スポットであるグアルダを起点としたハイキングコースの中継地や目的地として知られています。


この特徴的な巨大な岩の上にそびえる古塔はシュタインスベルク城の名残りです。シュタインスベルク(Steinsberg)とはアルデッツ村のドイツ語名で、12世紀に建立されたこの城は15世紀にオーストリア軍に破壊され、この塔だけが岩のてっぺんに残ったまま今に至っています。この時代、スイス誓約同盟を結成してハプスブルク家に猛烈に抵抗していたスイスですが、優れた騎兵部隊を組織していたオーストリア軍に一敗地にまみれたことが想像できます。こんな静かで風光明媚な田舎ですら戦火にさらされていたわけですから、中世ヨーロッパの激しさを感じます。


国道からそれて村へ入ると石畳の通りになり、それまでうとうととしていた同乗者たちがごつごつとした石畳の振動で目を覚まします。村の中は狭い路地をはさんでかなり密集しており、なかなか車を停めるところが見つかりません。


村の中心と思われるところに広場があり、そこだけは開けていたのでここに車を停めて村を歩くことにしました。スイスやフランスの小さな村を訪れるとよくあることですが、この村には全く人気がありませんでした。でも、花の手入れがよく行き届いているのはさすがスイスだと感じます。せっかくこの村に立ち寄ったので、写真後ろ手に見えるシュタインスベルク城跡のある丘に登ろうと思ったのですが、この日はスイスでは猛暑と言ってもいいくらい暑く、丘を上る気力のある人はいませんでした。


むしろ、狭い路地の路肩に見つけたカフェの方に心が奪われていたようです。


この村もエンガディンの例に漏れず、この地独特のスグラフィット装飾が施された見事な家並みを楽しむことができます。この村の装飾の特徴として、より直線的で幾何学的な模様が多い印象を受けました。


また、家主の思いが込められたであろう強烈な個性を放つ装飾画も多く見られました。これまでにいろいろなエンガディンの村々を訪ね歩きましたが、この村の装飾画が最も個性的で主張が強かった気がしています。


でも、この村で一番印象的だったのはこの路地を吹き抜けていく風の心地よさでした。日差しは強く猛烈な暑さはあるものの、時おり吹くカラッとした涼しい風は汗をすっかりと乾かしてくれます。そんなワケで、村の散策も程々にカフェで夏の涼を嗜むことになりました。



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花と温泉の街 Scuol(シュクオル)


エンガディン地方はスイス南東部に位置し、絶滅の危機にあると言われるロマンシュ語を話す地域です。エンガディンにはオーストリアでドナウ川と合流するイン(Inn)川が山間の谷間を流れ、その流域に沿って小さな村々が点在しています。


この辺りはスイスの中でも交通の不便なところ。そのせいかこの地を訪れる日本の観光客は少ないのですが、不便な分だけ古い歴史を持つ文化が守られており、昔と変わらないこの地方独特の雰囲気が残っています。個人的にはその不便さをもって有り余る魅力があるんじゃないかと思っています。


今回お伝えするシュクオル(Scuol)はウンターエンガディン(イン川の下流域)にある定番とも言える観光地です。


かつて宿場町として栄えたこの村には20種類の泉源が見つかっており、温泉リゾートとしても知られています。村の中心の広場の泉には2種類の鉱泉が湧き出ており、そのうち片方は飲用も可能だということです。


しかし何よりも魅力的なのが、石畳の街路にスグラフィッティという技法で描かれた幾何学文様やフレスコ画で装飾された家並みです。
これでもかと言わんばかりの花飾りとあいまってその美しさは倍増です。単なる住宅地なのに感動してしまいました。


特にドアの周りや窓枠には緻密な装飾画が描かれており、家主の思いが込められたであろう個性的なデザインが多くて、


一般の家庭にも関わらず、ついつい覗き込むように見てしまいました。


村を歩き疲れた頃に昼食にすることにしました。小さな村なので食事するところは限られていますが、ホテルのレストランはたいてい休日にもやっているので、お腹が空いたらとりあえずホテル探してみます。こんなホテルを目にするといかにもスイスなホテルでテンションは上がります。ちなみにスイスのホテルは三ツ星程度でもたいてい清潔で快適に過ごすことができます。


結局、私たちは向かいのホテルのテラスで昼食をとりました。ここはロマンシュ語圏ですがメニューはドイツ語でした(大抵そうだと思いますが・・・)。スイスの食事はイマイチだと言っていた日本からの来客もここでの昼食は楽しめたようです。もっとも雰囲気にごまかされてしまったとこぼしていましたが、それはそれでいいんじゃないんでしょうか。雰囲気も食を楽しむための一要素ですから・・・。


小一時間レストランで楽しんだ後、地ビール飲んですっかりほろ酔いとなった来客たちをよりディープなエンガディンに案内するために私はまた運転手としてハンドルを握りました。

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Monte Rosa(モンテ・ローザ)



モンテ・ローザ(Monte Rosa)はスイスの最高峰で、アルプスで2番目に高い山です。ただ、モンテ・ローザは複数の峰からなり、見ての通り一見どこが頂上なのかわかりません。山の形もあまりはっきりしないので、写真を整理していると、これは一体どこの山だったかなぁ〜ということになります。ちなみにその最高点は標高4,634mのデュフール峰で、これはイタリア側にあるそうです。


アルプスの最高峰はと言うとフランスとイタリアの国境に位置するモンブラン(Mont Blanc)。そのモンブランを間近で眺めることができるエギーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi)展望台からは、モンテ・ローザの山塊を見ることができます。また、左隅にチラッと見えているようにマッターホルン(Matterhorn)も拝めます。こう見るとアルプスの名峰は狭い範囲に密集しているように感じます。


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真夏のThun(トゥーン)


Thun(トゥーン)はベルンの南にあるドイツ語圏スイスの街。この街はドイツの南西部とスイス(主にドイツ語圏)を治めていたツェーリング家によって築かれたそうで、同様にツェーリング家によって築かれたスイスのベルンやラインフェルデン、ドイツのフライブルクなどに街並がどことなく似た感じがします。


この街のメイン通りのひとつであるObere Hauptgasse(オーベルハウプトガッセ)を歩くと、どことは上手く言えないものの、フランス語圏のローザンヌとはずいぶんと違った雰囲気があることに気がつきます。時として、国が変わることよりも言葉が変わることの方が、より大きな雰囲気の違いを感じさせるようです。


トゥーンの街を見下ろす丘の上にあるトゥーン城はこの街のシンボルとなっています。白い外壁が真夏の空にまばゆく映ります。


市庁舎前の広場から見上げるトゥーン城は中世の雰囲気を感じさせてくれます。すごく印象的な城なのでよくカレンダーの写真などにも使用されています。


また、トゥーンの街は水量豊富なアーレ川沿いにあり、街中にいながら水辺の開放感にひたることができます。


川沿いの遊歩道からはユングフラウなどのベルナー・オーバーラントの山々を拝むことができ、天気の良い日には格好の散歩コースとなります。真夏の空に見える雪山は涼しさを与えてくれます。


写真には収まってはいませんが、川沿いのカフェには強烈な紫外線をものともせずに日光浴を楽しんでいる人たちがたくさんいました。


そしてアーレ川に架かる橋に立ってみれば、次から次へと人が流れていきます。街中を流れる川にしては水質も抜群で、大人から子供まで気持ち良さそうに川に流されているのを見るとついつい飛び込みたい衝動にかられますが、水温はたいてい10度台なので注意が必要です。軟弱な私は腰まで浸かってみて足をつりそうな予感がしたので川流れは断念しました(笑)。


今となっては川に飛び込まなかった自分の歯切れの悪さを少し残念に感じていますが、トゥーンで過ごした真夏の休日は、夏らしいスイスを感じた場所としてずっと記憶に残るような気がしています。なんせスイスの夏は短く、夏らしい休日を過ごせるのも数日しかないですからね・・・。

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