広大なレマン湖に面する美しい街や村はたくさんあります。村と言ってもいいような小さな街に限って言えば、先日お伝えしたSaint-Prexを始めとして、Cully、Lutryといったスイスの村を個人的には気に入っています。一方、レマン湖南岸はフランスの領土となるのですが、こちらには水で有名なエビアン(Evian)がある以外、あまり知名度の高い街はないように思えますが、見所はけっこうあります。その最たるものがYvoire(イヴォワール)ではないかと思っています。
Yvoire(イヴォワール)は『フランスの最も美しい村』に認定された村のひとつで、花に溢れる明るい村ですが、今回は夕暮れの村をお伝えします。
日が暮れて来ると、観光客で賑わっていたこの村も元来の姿である素朴な村に戻り、ものすごく良いムードになってきます。
村の様子は中世の街そのものじゃないかと思います。
あるいは、映画の舞台セットの中を歩いているみたいな感覚と言っても良いかもしれません。最初に訪れた時、車で1時間足らずの場所にこんな所があるのか、と感動したものです。
日没後、村の通りにあるレストランの灯が点されると、あれよあれよという間に席が埋まって行きます。ディナー目当てに、日没のこの時を待って来る人も多いようです。
村の夕べは暗やみに包まれながらひっそりと始まって行く感がありますが、かなり贅沢な時間を過ごせるのではないでしょうか。レマン湖南岸の小さな村Yvoire(イヴォワール)には、昼も夜も『フランスの最も美しい村』にふさわしい佇まいがあります。昼の様子も改めてお伝えしたいと思っています。