村にはコレといった見所もなく、観光客は全く見かけませんでした。
そんな村を見慣れない東洋人がカメラをパシャパシャやりながら歩いていると、怪しい目で見られたりしないかなぁ、などと思うこともあるのですが、どこの村に行っても村人の視線が気になったことは一度もありません。スイスの田舎はホントにのどかなんだと思います。
ここは村の役所。村の役所はどこにいっても個性的なので必ず見ることにしていますが、この村の役所は一見レストランにも見えてしまう石造りの建物でした。
この村は高台にあり、村はずれの坂道に来るとその先にレマン湖と対岸のフランスが見えてきます。
レマン湖畔の村と言いましたが、坂道を下っても湖畔まではけっこう距離がありました・・・。
湖畔へと向かう途中にセリニュイの駅があります。が、ご覧の通りホームには柵が設けられ電車の乗り降りはできないようになっていました。どうやら廃駅のようです。
ジュネーブ空港行きのインターシティ(特急列車)は全く減速することなく通り過ぎていきました。電車に乗っているだけでは知る由もない村ですね。
廃駅からてくてくと歩くこと15分、湖畔にたどり着きました。ここは水質が抜群の砂浜でした。しかも、遠浅な感じだったので、夏場に水遊びをするには絶好の場所ではないかと思います。
そんなことを考えながら湖を見ていると、後ろから猛烈な勢いで走ってきたレトリバーがそのまま湖に突進して水浴びしていました。あっけにとられてしまってカメラを向けるヒマもありませんでしたが、その気持ちはよく理解できます・・・。
次はセリニュイの港へ行ってみました。
あんまり船の出入りもないんじゃないかと思える静かな小さな港。日陰のベンチには寝転がって本を読んでいる人たちがいました。
私たちは日向のベンチに座ってレマン湖を眺めていました。日差しは強いのですが、空気はまだ冷んやりしているので私たちには日向がちょうど良い感じです。
帰りは坂を上って村の中心まで戻ってきました。村のカフェが開店していたので、そこで小休止することにしました。看板も控えめだし、見た目は周囲の民家と変わりがないので、行きにここを通り過ぎたときには、ここがカフェだとは気がつきませんでした。
しかし、店に入ってみれば超満員。おそらく互いに顔見知りの地元の人たちだと思いますが、談笑する声が店の外まで聞こえるくらいでした。観光名所の何もない素朴な村ですが、スイスの豊かさを改めて感じさせる村でした。