ローザンヌの東側に位置する街、Lutry(リュトリ)。スイスに来たばかりの頃、この街で初めてフィレドペルシュ(Filets de Perche)を食べたのをよく覚えています。食べ物がイマイチと思い込んでいたスイスで美味い魚にありつけることを知って安心したものです。
リュトリはレマン湖に面した港町ですが、山側に目をやれば、この辺りから東へ向かって湖岸の傾斜もきつくなり、ユネスコ世界遺産にも登録されているラヴォーのぶどう段々畑が見えてきます。
ラヴォーのぶどう畑は仕事帰りにしょっちゅう来ていました。いつ来ても開放的で四季折々異なる表情を見せてくれるので、気分転換にはうってつけの場所です。
その際に立ち寄るリュトリの街でスイスの街並の美しさを実感しました。スイスの自然が素晴らしいことはわかっていたものの、スイスには何となくあか抜けないイメージがあったのですが、この街の佇まいはそれをきれいに払拭してくれました。
街並は派手ではありませんが、豊かさに裏打ちされたゆとりが漂っています。建物は概して古いのですが整然とした佇まいを保っており、風通しの良い細い路地は歩いているだけで気持ちが良いものです。
一方で、初めてこの街を訪れた直後から苦難のスイス生活が始まりました。文化の違いや言葉の壁などいろいろ苦労したことを覚えています。もう一度この時に戻りたいとは思いませんが、良い事もそうでない事もすべてが新鮮だった時期で、スイスでもっとも密度の濃い時間を過ごした時期だと言えます。
大きな地図で見る