スイス南東部にあるエンガディン(Engadin)地方。この辺り一帯にはスグラフィットという伝統技法が残っており、個性的で美しい装飾を施された家々に魅了される。
なかでも装飾が施された窓辺の美しさがとても印象的。
『窓』というのは採光や換気のために実用的に作られるものだが・・・、
Scuol(シュクオル) |
この地では家主の美的感覚を演出する格好のオブジェクトとなるようだ。
Müstair(ミュスタイア) |
窓辺には家主の個性が存分に盛り込まれていた。
Guarda(グアルダ) |
一般家庭のみならず、ペンションにも楽しい模様が描かれている。
Scuol(シュクオル) |
これは玄関を飾る大胆な装飾。玄関そのものも立派。
表札も装飾の一部となっているところがシャレている・・・。
Sta. Maria Val Müstair(サンタマリア) |
これはとても繊細なタッチで描かれていた。
陶器の模様を窓辺に描いたようだ。
Guarda(グアルダ) |
こちらは年代を感じさせる装飾。
窓辺が家の歴史を刻んでいる。
Scuol(シュクオル) |
エンガディンの家々の窓辺は装飾を施し、その家の歴史を刻むだけでなく、
『我が家のいま』も競い合うように飾っていた。
Sucol(シュクオル) |
窓辺に飾られた花々は家主の健在ぶりを表しているのだ。
『住まいは住む人の人となりを表す』と言うが、
エンガディンの家々は窓辺にそれが集約されていた。
家主の個性はもちろん、
徹底的な美しさの中に隠れたハリのある生活感がひしひし伝わってきた。